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コロナ禍のなかでの檀家への連絡について
「連絡」は良いか悪いか?
新型コロナウイルス(COVID-19)禍は、多くの人を苦境に立たせるものでした。そのなかで、檀家さんのことを考えてなにがしかのアクションを起こした寺院も多いことでしょう。このような「アクション」を、檀家さんがどのように感じているかをデータからみていきます。
菩提寺からの連絡はどう受け取られている?
「新型コロナウイルス(COVID-19。以下『コロナ』の表記に統一)禍のなかで、菩提寺から連絡があった」と答えた層のうちの、61.4パーセントが「檀家の対応に満足をしている」と答えています。また、「普通」と答えた層は29.3パーセント、「不満」であったそうは9.3パーセントです。
対して、「菩提寺からの連絡はなかった」とした層では、「檀家の対応についてはなんとも思わない。普通」と答えた人の割合が非常に多く、60パーセント近くにまで登っています。対して、「満足」は30パーセント程度、「不満」は10パーセントでした。
実際に、「連絡をくれる心遣いがうれしい」と感じた人の割合は、すべての年齢層で1位になっています。また、「コロナ下での法要をどうしようか迷っていたので、連絡をもらって助かった」と答える人も多くみられます。
反対に、「事務的な連絡だったのでなんとも思わなかった」「連絡を受け取っても、特に何も感じなかった」と答えている人も、少なくない数で存在しています。
連絡をしないよりも連絡をする方が良い
このことから、「たとえコロナ禍のなかで檀家さんに連絡をしなくても悪い印象を抱かれる可能性は少ないが、連絡をする菩提寺は好意的に受け止められる」ということが分かります。
少なくとも「連絡をされたことが不快だった」と感じる人はほとんどいませんから、菩提寺側から積極的に檀家さんに連絡をしていくべきでしょう。
人間は、「気にかけてもらったこと」を不快に思うことはほとんどありません。不安定な状況のなかにおいて、檀家さんをいたわり檀家さんに寄り添うことは、寺院に課せられた役目であると同時に、檀家さんとの仲を深める方法でもあります。
何よりも連絡をすることで、「自分の家の菩提寺」を意識してもらいやすくなります。「何かあったらやはり菩提寺に相談しよう」という気持ちも出てくることでしょう。
ただ、事務的な要項だけに終始するのではなく、個々の法要や生活に触れたアプローチが望ましいといえます。お一人おひとりに対面(や電話)で対応するのが望ましいかもしれませんが、このコロナ禍のなかでは、「手紙・ハガキ」といったアプローチ方法が好まれることも覚えておきましょう。