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インターネット僧侶派遣サービス その2
現在はどのような形態をとっているか?
近年注目されるようになったインターネット僧侶派遣サービス(以下「僧侶派遣サービス」)は、菩提寺を持たない人に対してアピールできる非常に強力なサービスだといえます。
この僧侶派遣サービスへの参入を検討している寺院さまに対して、ここでは「僧侶派遣サービスの現在の形態」を解説していきます。
お布施の金額が決まっている、お布施も安い
僧侶派遣サービスのもっとも大きな特徴は、「利用者様が払うことになるお布施の金額が決まっている」ということです。
従来型の葬儀や法要では、お布施は「心を表すもの」として扱われていました。そのため明確な費用は決められていません。
ただこれは、利用者様にとっては大きな負担でもありました。「いくら包めばいいの?」「少ないと失礼になるのでは……」と悩む人が多かったのです。
これに対し、僧侶派遣サービスは「35000円」「50000円」「10万円」などのように明確な数字を出しています。
また、上記の数字を見ても分かる通り、僧侶派遣サービスのお布施は比較的安価です。
「『価格』が明瞭であり、しかも安い」ということで、僧侶派遣サービスは一気に広まりました。これは「お布施」の概念から外れるものかもしれませんが、それでも、その分かりやすさと負担の少なさが多くの人に受け入れられているという事実は、押さえておかなければなりません。
菩提寺がわからない人や、菩提寺との関係を築きたくない人にも受け入れられている
現在は宗教への帰属意識が薄れたためか、「菩提寺が分からない」「菩提寺との関係を築きたくない」という人も増えています。ただ、「それでもやっぱり葬式や法要は行いたい」と考える人は、依然として多いものです。
そのような人たちにとって、僧侶派遣サービスは非常に利用しやすいサービスです。
菩提寺が分からなくても使えますし、宗派を伝えればその宗派のご僧侶様が来てくれます。また、A寺の予定がつかなくても、すぐにB寺のご僧侶様と連絡がつけられます。
このような利便性の高さは、現在の人の宗教観にもよくマッチしました。
もちろんこのような傾向を苦々しく思う寺院は多くあります。ただ、実際に僧侶派遣サービスの実施を導入するにせよしないにせよ、僧侶派遣サービスの実態を把握しておくことは判断材料となります。
僧侶派遣サービスの実態を知り、またそのメリットとデメリット(また別の記事で紹介します)を知ることで、より「自分たちのお寺に合った選択肢は何か」を選びやすくなるでしょう。