オリジナル
親からの継続で檀家になる?ならない?
檀那寺を持ち続けるメリットとデメリット
檀那寺(信徒が属するお寺のこと。ご先祖のお墓があり、先祖代々帰依しているお寺を指す。対になる言葉として「檀家」がある)は時に人の心のよりどころになるものですが、「それほど熱心な仏教徒ではないから、親の後にもずっと檀那寺と付き合い続けていくかどうか迷っている」という人もいるでしょう。
そんな人のために、「檀那寺を持ち続けるメリットとデメリット」を解説していきます。
檀那寺を持ち続けるメリット
檀那寺を持ち続けることには、いくつかのメリットがあります。
- 先祖代々の供養をお願いし続けられる
- 仏事の相談ができる
- スケジュールの調整がききやすい
ひとつずつみていきましょう。
先祖代々の供養をお願いし続けられる
檀那寺を持っている場合、「お墓も檀那寺にある」というケースが非常に多いことでしょう。檀那寺では檀家のご先祖の御霊を供養し、末永く大切に接してくれます。
お墓の手入れもある程度檀那寺が受け持ってくれる場合もあり、お墓が荒れにくいのも大きなメリットです。
また、「先祖代々のお墓があるのに檀家を辞める」とした場合、「うちの宗派を信仰していないということだから、墓を引き取ってくれ」と言われる可能性もあります。このようなリスクを避けられるのもメリットです。
仏事の相談ができる
葬儀や法要などの折に、気兼ねなく相談できるのもメリットです。現在は「葬儀は、葬儀会社が持っている葬儀ホールで」というご家庭も増えてきましたし、葬儀会社でも葬儀・法要のアドバイスも行っています。
それでも、「もう亡くなってから13年も経つから、今さら葬儀会社を頼るわけにも……」と思う人も出てくることでしょう。しかし檀家になっているのであれば、このような相談も気軽に檀那寺にできます。
スケジュールの調整がききやすい
お盆の時期はお寺も忙しく、スケジュールの確保が難しい状況にあります。
しかし檀家になっていれば、優先してスケジュールを組んでくれます。またどうしても都合がつかない場合は、檀那寺と付き合いのあるお寺を紹介してもらえるため、「お寺さんとスケジュールが合わないから、日程を変更しなければ……」と悩む必要もなくなります。
檀那寺を持ち続けるデメリット
ただし、檀那寺を持ち続けることにはデメリットもあります。それについてみていきましょう。
- お金がかかる
- 自由度が低い
- 遠方に住んでいると結局付き合いが薄くなる
解説していきます。
お金がかかる
「檀家は檀那寺に世話になり、檀那寺は檀家によって支えられる」という性質があるため、多くのお寺では「護持会費」などを設けています。お寺によってその額は異なりますが、毎年5000円~20000円程度に設定されることが多いといえるでしょう。
また、法要や葬儀を行うときにも当然お布施を納めることになります。
※ただし「お布施」はご僧侶を呼んだのならば、檀那寺を持っていても持っていなくても発生します。
自由度が低い
現在の多くの檀那寺は、「葬儀の際は葬儀ホールでやっても構わない。呼ばれれば葬儀ホールに出向く」としています。
ただそれでも、葬儀や弔い方法の自由度は下がります。たとえば、檀那寺という「仏教のお寺」を持っているのであれば、必然的に葬儀は仏教のものとなり、無宗教の葬儀などは極めて挙げにくくなるでしょう。
遠方に住んでいると結局付き合いが薄くなる
檀那寺があれば、仏事のときに相談ができます。ただ、遠方に住んでいれば結局はあまり相談する機会もなく、その恩恵も受けにくいといえるでしょう。また、お墓の管理をある程度してもらえるのもメリットですが、「もう遠方で居を構えたので檀那寺のあるところに戻るつもりはない」という場合は墓じまい~改葬を考えた方が良い場合もあります。
檀那寺を持つことにはメリットもあればデメリットもあります。どちらの選択が良い・悪いといえるものではありませんから、この2つを天秤にかけて、自分たちのライフスタイルや宗教への帰属意識をもとに判断していくとよいでしょう。