コラム No.037 「ご縁をつないだことのある人」との関係性

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「ご縁をつないだことのある人」との関係性

継続することには重大な意味がある

寺院が信者の方々との縁をつないでいこうと考えるとき、「一度でもご縁をつないだことのある人」との向き合い方をよく考えなければなりません。

その意味を、データからみていきます。

40代以上の4人に1人が僧侶手配経験あり、多くの人は依頼する僧侶が決まっている

合同会社DMM,comのグループ会社である「カブシキカイシャ終活ねっと」がとったアンケートで、非常に興味深いものがあります。

それが、「お坊さんに関する実態調査」です。

この調査のなかの設問の1つとして、「自分で僧侶を手配した経験があるか」というものがあります。「自分で僧侶を手配した経験がある」と答えた層は全体の2割程度にとどまりますが、40歳以上に限った場合はこの数字は3割近くまで伸びます。

40代のうちの12.7パーセント、50代のうちの27.2パーセントが「経験あり」としていますし、60代以上になれば全体の4割近い43.5パーセントが「手配経験あり」と答えています。

もうひとつ注目したいのは、「自分で僧侶を手配した人のうちの64.8パーセントは、今後僧侶を手配しなければならなくなったときにお願いする僧侶が決まっている」という点です。

また、僧侶の手配をする人のうちの7割は「付き合いのある僧侶に頼む」、2割が「葬儀会社に依頼する」としています。

1度依頼をしてきた人と関係をつなぐことの重要性

記のデータから、「1度でも依頼をしてきた人は、高い確率で『リピーター』になりうる」ということがわかります。

たった1回でも、葬儀や法要・法事を依頼してきた人は、次回以降も同じご僧侶さまを頼む(もしくはそのご僧侶さまを通して紹介してもらう)可能性が極めて高いといえるのです。

このようなことを踏まえれば、「たった1度のご縁をつなぐこと」がいかに大切かがわかります。

昔からの檀家さんを大切にするのはもちろんのこと、葬儀会社を通して知り合った依頼者に対しても丁寧な対応を心掛け、縁をつないでいくようにしなければなりません。

また、現在は宗教への帰属意識が低い人も多く、「自分の菩提寺がどこなのかわからない」「菩提寺があったと思うが連絡が途絶えて久しいので、もうどこのところにお願いしていたか忘れてしまった」というケースもよくあります。

このようなことにならないために、法要(十三回忌法要など)のタイミングではがきなどで案内をするようにするとよいでしょう。なお、「どのタイミングではがきを出せばよいのか」「亡くなった年はいつか」などのデータを管理するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用が便利です。