コラム No.057 オンライン葬儀とは①~そのメリットと検討されるようになった背景〜

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オンライン葬儀とは①

~そのメリットと検討されるようになった背景〜

一時期、「オンライン葬儀」という言葉がSNS上でよく取り上げられていました。実際にこのオンライン葬儀について書かれた記事もリリースされており、少なくない数の人がこれを注視していました。

「葬儀を行う場」である寺院は、人の耳目を集める葬送方法に無関心ではいられません。ここではこのオンライン葬儀が検討されるようになった背景と、オンライン葬儀のもたらすメリットを解説します。

オンライン葬儀が注目されるようになった背景とは

「葬儀をオンラインで行う」「インターネット回線を通じて、葬儀を行っているところを見てもらう」というオンライン葬儀が注目されるようになったのは、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響です。葬儀会社のなかでもこの「オンライン葬儀」を取り扱うところが散見しています。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行は、私たちの生活自体を大きく変えました。今まではごく少数の会社しか行っていなかったリモートワークを導入する会社が増えたり、通販や配達によるサービスが飛躍的に進歩したりしました。

オンライン葬儀もまた、「感染症の対策」という観点から生み出された選択肢であるといえます。特に、葬儀のときにクラスターが発生した……という話がマスメディアを騒がせるようになったことで、この形式に関心を持つ人が増えたのだと思われます。

オンライン葬儀のもたらしたメリットとは

上記のような事情から生み出されたオンライン葬儀は、感染症の予防に対して極めて効果的です。ご家族からすれば、「新型コロナウイルス(COVID-19)の話があるので、なかなか来てくれとは言えないが、オンライン葬儀ならば出席してもらえる」「足の悪い人や、ハイリスクの人にも参加してもらいやすい」という魅力があります。

また、「新型コロナウイルス(COVID-19)の話があるから、葬儀自体を辞めなければならないかも……」と思っていた人に対して、直接参加する人の数は少なくなるものの、寺院として寄り添えるようになったというのも大きなメリットでしょう。

加えて、オンライン葬儀は、「葬儀を行う側」から見れば、その流れや手順に大きな違いが見られず、戸惑いが少ないというのも魅力です。

弔いの方法が多様化すれば多様化するほど、よりその人・そのご家庭にあったお見送りの方法を選びやすくなります。寺院の役割のひとつが「故人とご家族に寄り添う」というものであるのなら、オンライン葬儀の普及は、そのような目的を叶える手段になりえるでしょう。