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寺院における防犯カメラの重要性
寺院は防犯対策の実施が求められている
「賽銭泥棒」「仏像盗難」に関する価値観について」でもお話したように、現在は賽銭泥棒や仏像盗難が大きな問題となっています。しかし「国家予算でこれらの対策を行う必要はない」と考えている人が6割を超えているというデータがあることを踏まえれば、寺院側は寺院側で個別に防犯対策を練っていく必要があるといえるでしょう。
ここでは、「寺院と防犯対策」「寺院と防犯カメラ」をテーマにしてお話していきます。
宗教への帰属意識が薄れた今、寺院は防犯対策の実施が求められている
宗教への帰属意識が薄れた現在、「ばちがあたる」という個々の心情による抑制効果の意味は非常に薄くなっています。
賽銭泥棒や仏像盗難ももちろん、ただの破壊工作(おいなりさんを壊すなど)も見られるようになった現在、寺院側はもっと現実的な解決を講じることが求められています。
もっとも身近な防犯対策は、やはり防犯カメラです。
兵庫県警が出した令和4年中の検挙状況をデータにとると、「防犯カメラなどの画像が、謙虚のきっかけになった」という事例がもっとも多くなっていることがわかります。これは「参考人の取り調べ」の2倍にものぼろうかという数字です。
防犯カメラはそこにあるだけで犯罪の抑止力になります。また、実際に盗難にあった場合も犯人を特定する手段となりえます。
出典:
兵庫県警察「重要犯罪の情勢とその対策について」
https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/juten_jokyo/data/02_1_3002.pdf
センサーの導入も効果的
防犯カメラは、「それがあるということによる抑止力」「盗難・破壊・放火などが実施された後に犯人を特定するための力」に長けたものですが、「犯罪を行おうとしているまさにその瞬間」に役立てるには心もとないものだといえます。
このような状況を防ぐためには、センサー類が有用です。人が入り込んだことを知らせる赤外線センサーや、範囲内に人が入った時に自動で明かりをつける人感センサーは犯罪を起こそうとする者にとって非常に恐ろしいものだといえるでしょう。また犯罪者は「人の目」を恐れることから夜間の巡回も有効ですが、場合によっては相手から急襲を受けかねません。そのため、自分の身の安全を一番に考える対策が望ましいといえるでしょう。
なお、「荒れている地域は、さらに荒れやすくなる」という「割れ窓理論」があります。このため、何かが破壊されていたり、落書きがされていたり、ゴミが捨てられていたりする場合は、これらは即時撤去・修理しましょう。